憂きまど

タイトルは「憂き事のまどろむ程は忘られて覚むれば夢の心地こそすれ」より。某大学国文学修士の人が趣味丸出しでおくる、アニメや小説の感想を中心になんでも。超気まぐれ更新。読んだ本はこちら→https://bookmeter.com/users/337037 Twitterは→@konamijin

『劇場版 のんのんびより ばけーしょん』と舞台挨拶をみてみた りぴーと※ネタバレを含む

 昨日、この作品を観た私だったが、今日も舞台挨拶と上映があったため、TOHOシネマズ川崎へと向かう。昨日の感想記事を夜遅くに書いていたため、ゆっくり寝てしまったが遅れることなく劇場に到着。やはり今回も本人確認と手荷物検査は厳重であった。今回の色紙は、出ましたれんげ&蛍。これは嬉しい。ガチ勢はコンプリートを目指すべく既に複数回見ているようだが、私も昨日引き当てた一穂・駄菓子屋の色紙を四枚持っている、れんげ・蛍が欲しい、という声も聞こえてきた。

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 今回は昨日のように上映前に舞台挨拶をするのではなく、観た直後に舞台挨拶をするという形式。登壇者は村川梨衣さんと佐倉綾音さん。司会は同じくKADOKAWAの女性。先にこちらについて書いておこう。

 「皆さん心なしか優しい顔をしているような」と佐倉さん。そして村川さんから自己紹介。やっぱり挨拶は「にゃんぱすー!」だが、その後に「沖縄ー?」「最高ー!」コールを要望し、不思議な空気に。続く佐倉さんは一度「にゃんぱすー!」と言い、その後でもっと大きな声で言ってということで再び「にゃんぱすー!」。

 そしてトークがスタート。「待ちに待った続きを劇場版でお届けできる」と村川さん。二人とも久しぶりののんのんびよりを観客同様楽しんでいたようだ。「ひかげがうるさかった、夏海と一緒だから。夏海のひかげの扱いが酷い」と佐倉さん。村川さんの褒める語彙が小学生並みだったので、佐倉さんが「語彙力!」と突っ込む。観客の中には昨日公開なのにもう二回以上観ているという人が非常に多かった。「皆なにしに来たの?」とは佐倉さん。二人とも意外そうな反応だった。抽選に応募する際に全員集合回である前日と今回と、両方当選したという人も多いのだろう。

 ネタバレありで印象に残ったシーンについて話していく二人。佐倉さんはやはり新里あおいちゃんとの交流について。夏海は最初はちょっとあおいちゃんが苦手という感じだったようだが、打ち解けていくという話。「あれ男女だったら絶対(恋が)始まってるよね」と佐倉さん。村川さんも「夏海男の子みたいだよね」と応じる。私も前の記事でそんなことを書いていたのでとても共感した。そして最後の別れの場面。「れんげとアイコンタクトをすることで、何か伝えなきゃと思った。本人たちはそう思っていないかもしれないけど、これは青春。後で大人になってあんなこともあったなあと思い出すような」と佐倉さん。佐倉さんは実際のアフレコ現場でも別れたくないなあと思っていたそう。「別れは人を成長させる、皆も(別れという点で)似たような体験はあるんじゃないか」と佐倉さん。また、帰りの車に乗った夏海が鼻をすするという点にも言及。「アフレコ台本のト書きにはあったがセリフではなかった。でもやってみたらそれでいきましょうという話になった。渾身の鼻すすり」とのこと。今後二回目、三回目と観に行くという人は、注目すべき点だろう。村川さんは蛍についてではなく小鞠について尋ねられる。表情に注目して欲しい、例えば海に入る際にカナヅチである小鞠の目が点になっているところなど、とのこと。

 舞台挨拶はあっという間に最後に。

佐倉「社会の喧騒に疲れたらまた来ていただいて。何度でも感動できる作品だと思うんですよ。観終わって外に出てみたら世界が明るく見えるような。また最初に観たときの感じなんかを思い出しつつ」

村川「もうすぐ夏休みも終わりですか?こんなこと言っちゃいけないかな、毎日お仕事頑張ってるよという人も、明日は月曜日ですから、傷が全回復したと思います。赤ゲージじゃなくて黄色ゲージくらいになってたのが。のんのんびよりには治癒能力があります。浄化される」

 こうしてのんのんびより健康法が生まれたのであった。そしてキャスト二人は舞台を降りる。私の席が入退場口と近かったので最後に二人がよく見えた。

 

 今回は二度目の観賞だったが、全体的にひかげがいい味を出していたと思う。アクロバティック土下座や飛行機で耳を痛めてしまった後のやりとり、船酔いなどとにかくついてないのだが、それでも自分のテンションを崩さない。散々な目に遭った彼女だがやっぱり楽しかったようで、最終日には高校一年生だというのに泣いていた。彼女のは旅行が心から楽しかった、まだ帰りたくないという思いからの涙である。一方で、同じく泣いていた夏海は、やはりあおいちゃんと別れるのが寂しい、早すぎる、という思いからの涙だろう。この点、同じ涙でも意味が全く異なるのである。ひかげの考え方がまだ子供っぽいという話ではなく、それぞれが自分の気持ちに素直に向き合っての涙だということが重要だ。

 対照という点で言えば、大人部屋といつもの面々の部屋、それぞれが別の日の夜中にコッソリカップ麺を買ってきて皆で食べるという場面。前者は一穂、後者は夏海が買ってくるが、どちらも「いや私は食べない」とい言う者はいなかった。この点、根本的な部分でみんな共通している、だから仲良くやれる、ということが分かる。

 そう言えば、兄ちゃんは特賞を当てた功績ということで、二人部屋を一人で使う権利を与えられた。ゆえに、夕食後には登場頻度がガタ落ちしてしまう。さっさと寝たのだろうか。

 昨日はED曲について言及していなかった。れんげ、蛍、小鞠、夏海の歌う『おもいで』。OPとは異なり、エンドロールと共にフルで流れる。タイトルの通り夏の思い出を歌いつつ、本編ラストでもれんげが言った「ただいま」というワードが重要な位置を占めている。これは『のんのんびより りぴーと』の『おかえり』に対応していることは言うまでもない。「のんきな風が吹いたから また季節が歌ってる」という歌詞もあるが、これも一期のED『のんのん日和』と先述の『おかえり』の歌詞である「のんびりと歌うから のんきな風が吹いたを踏まえたものである。こういうところも、過去作からのファンには嬉しいポイントである。

 リアル田舎、そして沖縄では現時点で上映劇場が存在しないのんのんびよりであるが、ぜひ多くの人に心を浄化しに行ってもらいたいものである。まだ原作は続いている。またいつか、「ただいま」と言ってのんのんびよりの世界を見せて欲しいものである。

 

※おまけ

 私の推しキャラは富士宮このみである。数年前の原作の公式人気投票で、夏海を押しのけ4位に入った子であり、高校三年生。ゆるめのお姉さんキャラ。怒らせると怖い。顔が可愛い。今回の劇場版ではセリフはそれなりにありはしたが、そこまで重要な役割は果たしていないように思えた。今回主役級であった夏海の逆襲であった。