憂きまど

タイトルは「憂き事のまどろむ程は忘られて覚むれば夢の心地こそすれ」より。某大学国文学修士だった人が趣味丸出しでおくる、アニメや小説の感想を中心になんでも。絵を描けない私は文を書く。超気まぐれ更新。読んだ本はこちら→https://bookmeter.com/users/337037 Twitterは→@konamijin

水瀬いのりさん出演の今期アニメ作品の雑感~バジリスク 桜花忍法帖、信長の忍び、ルパン三世、ただこい~

 さて、久々の更新である。最近は特にネタも思いつかない(思いついても資料集めなどで手間がかかる)、例の積読を処理したいなどの理由から、特に更新をしていなかった。ゴールデンウイーク中も積読を読むことを軸にしていきたい。

 本題に入ろう。これを読んでいる皆さんは、今期のアニメ作品を何か視聴しているだろうか。私は以前の記事にて、今期も「出演声優採用」をすると明言した。

 

konamijin.hatenablog.com

 ゆえに、今期は水瀬いのりさんの出演作品をチョイスして視聴している。今期の彼女の出演作品は、公式サイトにまとめられている。

 

www.inoriminase.com

 現状では、『ルパン三世 PART5』、『多田くんは恋をしない』(以下ただこいと表記する)、『信長の忍び姉川・石山篇~』、『バジリスク桜花忍法帖~』の4作品である。以前の『干物妹!うまるちゃんR』のヒカリちゃん役のように、何かの作品に途中参戦するという可能性は残されているが、今はこれだけだ。夏までアルバムの制作やライブツアーという大仕事が控えていることもあり、妥当な数であろう。

 この中で、『バジリスク桜花忍法帖~』は2クールであるため引き続き放送されており、『信長の忍び姉川・石山篇~』も信長の忍びシリーズの続編であり、話数カウントもそれを引き継いでいるようなので、全く新しい作品ではない。ゆえに、全く新しい作品はルパンとただこいの2作品に限られる。今回は、それらの作品群について三話まで視聴した雑感を記していきたい。完全な新作以外の2作はこれまでの展開に関する感想についても触れて行こう。

 

①『バジリスク桜花忍法帖~』

basilisk-ouka.jp

 まずはこの作品。原作は山田正紀さんの小説(上下巻)だが、現状、アニメ版とは序盤や下巻の最初以外はかなり展開が異なっているため、アニメ版がどういった結末を迎えるのか想像もつかない。前作『バジリスク甲賀忍法帖~』は山田風太郎の小説『甲賀忍法帖』を元にしているが、今作『桜花忍法帖』でもその一部設定を引継いでいる。しかし、当然作者が異なっているため、この設定を利用した新解釈には「野暮」という意見が目立つ(前作を見ていない人にはネタバレになるので詳細は触れないが)。その点を抜きにしても、この山田正紀さんの原作小説の評判はAmazonなどのレビューを見ると散々なものである。あくまでプロ作家の二次創作と考えて割り切っていれば肩の力を抜けるというものだ。今作の視聴にあたって、前作を読む・あるいはアニメ版を視聴していなくとも特に問題はない。公式チャンネルに過去作のとてもよくできたおさらい動画がアップされているので、それを見るのもいいだろう。

 時は徳川家光江戸幕府将軍の時代。甲賀八郎と伊賀響という二人の忍び兄妹(後者がいのりさんの役)が主役。二人+その周囲の若き男女の忍たちと謎の集団・成尋衆との戦いを描く。キャストには早見沙織さんや佐倉綾音さん、堀江由衣さんなどの人気女性声優、男性陣も三木眞一郎さんや豊永利行さんを起用しており、男女両方の声豚にウケるに違いない。この成尋衆、「忍法」と銘打ってはいるがチート妖術、いや魔法と言ってもいい類のものを使うトンデモ揃いばかり。時間を逆行させて技を相手に返したり、魔獣を召喚したり。いわゆる我々の知っている忍者の忍法とはだいぶ違うのでその点は注意されたい。それを言ってしまうと、今作の八郎や前作の甲賀弦之介の瞳術(自分の目を見た相手の敵意を相手に返す、すると相手は自害する)もなかなかチートなのだが。

 さて、問題の主人公二人であるが…ここまであまり目立った活躍をしていないという印象である。全くしていないとは言えない。八郎は忠長の討手を自身の瞳術で壊滅させたり、最新話では成尋衆の一人・孔雀啄を撃退したりしていた。しかし、物語の最初の数話だけを見ても、セリフが少ない。周りの仲間の忍者たちばかりが活躍している。先述の原作小説では、下巻の戦闘などは引き込まれるものがあったがやはり主人公二人があまり目立たたなかったという読後感が残った。その点では原作に忠実なのかもしれない(皮肉)。その一方で存在感があるのが、駿河大納言こと徳川忠長である。当代将軍家光の弟。家光とは対照的にいかにも有能そうな見た目をしており、序盤では快活であった。…しかし、最近はその小物っぷりに拍車がかかり、完全に成尋側に利用されているという有様。腐っても徳川、その血筋から神輿にされているが、この男はどんな結末を迎えるのか。兄弟対立、疑心暗鬼、この人物の描き方はうまい。

 OP曲は前作と同じく陰陽座の『桜花忍法帖』。前作のOPはといえば、バジリスクタイムでおなじみ「水の様に優しく花の様に劇しく」のアレこと『甲賀忍法帖』である。今回も作品内容を歌詞に反映したかっこいい和な楽曲となっているが、サビであの踊りをするのには向いていないようだ。ED曲は前作で朧を演じた水樹奈々さんの『HOT BLOOD』と『粋恋』がランダムに使用される。前者は和風ロック、後者はバラードとテイスト違い。個人的には前者が好きである。

 同じキング案件(キングレコードが持っている放送枠、キャストもキング関係者が多い)である『ポプテピピック』が始まる前、この作品が楽しみだという宣伝がなされたり、エイプリルフール企画でポプテピピックのサイトからこの作品の公式サイトに飛ばされるといったものがあったが、それでもあまり盛り上がっていないという印象である。Twitterでの実況民も少ない。確かに前作ほど、第一話で視聴者を引き込む力はなかったと言える。それ以降も見せ場はあるがイマイチ盛り上がりには欠ける。個人的にはわりと楽しく見れているのだが、そろそろ今後に期待とも言えなくなってくる時期だ。視聴者をもっとわくわくさせるような仕掛けはあるのだろうか。1話の本能寺での信長の描写なども伏線として徐々に回収してきているようだが。個人的には、最近は実際の古典和歌(『源氏物語』の女三宮の歌など)が盛り込まれてきている回や、やや芥川龍之介の『地獄変』を思い起こさせるような展開があったりその点は面白い。

 

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②『信長の忍び姉川・石山篇~』

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 重野なおきさんの四コマ漫画を原作とした作品。監督は『おじゃる丸』などでおなじみ大地丙太郎さん。バジリスクと同じく忍者もの。こちらは割と煙幕などの忍びの術を使っているが、千鳥が一見可愛い少女に見えながらとんでもない強さを持っているというチート設定。今日の1時35分から放送された最新回でも、突撃する磯野員昌隊の兵を勢いよく斬り伏せていた。敵兵を勢いよくなぎ倒すのは、一期のOPから変わっていないのであるが。

 この作品は5分アニメである。CMも含めて5分であるため、本編はOPと合わせて3分30秒である。時間ないし30分もアニメ見てられないよ、普段アニメは倍速で見てるよ、という人も見やすい。一方で、この短い放送枠であるため、物語はギャグやシリアスシーンが矢継ぎ早に投入される。キャスト陣もアフレコでその早さには苦労しているという。また、ネットでの実況にも不向きである。なぜなら、ギャグのシーンにツッコミを入れようとしたら、既に別のギャグシーンに進んでいるからだ。前回の54話は、1話の中にネタを詰め込みすぎているという印象を受けた。情報過多なのである。また、これまでも原作でのエピソードがカットされている(例えば朝倉宗滴足利義輝の話など)ので、今期も同じようなことが起きる可能性がある。時間の都合などもあり全てやるのは難しいのだろうが、やや勿体ない気もする。

 しかしながら、久々に見た『信長の忍び』53話はつい笑ってしまうところが多々あり、「『信長の忍び』が帰ってきた」と思わせるには充分の面白さであった。声優にも新たに本多忠勝役として小山力也さんが加わるなど、やはり豪華である。間に挟まれる原作のCMや、次回予告も引き続きいのりさんが担当。ニコ動などのネット配信では、こういったCMを見ることができないのが残念である。次回予告は、YouTubeにて公開される。最近は次回予告をED後に流さず、YouTubeで後日公開するパターンも増えてきた。前期であれば『宇宙よりも遠い場所』もそうだ。ゆえに、アニメの公式Twitterをフォローするなどしていない人は、その存在を知らないという人もいる。実際、昨年五月に行われた『信長の忍び』の一気見上映会では、次回予告を初めて見たという声も聞こえてきた。次回予告にもちょっとした小ネタが差し挟まれていたりするので、ぜひ見ていただきたいものである。来週は再び『信長の忍び』の上映会があるので、おさらいと共にどんな話が聞けるか楽しみである。

 今期はタイトルの通り姉川の戦いが描かれ、そして後半では一部界隈で人気の本願寺顕如が登場するだろう。今からクソコラが作られるのがある意味楽しみである。ティザービジュアルには森可成。この男がどういった戦いを見せるのか、一番の見どころになると思う。今から視聴を始めても問題ない。秀吉役の山口勝平さんが、原作コミックス最新13巻のインタビューにて「歴史に興味を持つのはいつも突然。信長も秀吉も歴史のどこかの途中なんです。だから三期から見て、歴史の何かを好きになってくれたら!」と言っていたが、同感である。

 OP曲は、これまで『徒桜』『白雪』を歌ってきた蓮花さんの『金魚涙。』である。作詞も彼女が担当しており、「恋」が一つのテーマになっている。先行配信されているフルをダウンロードして聴いてみたが、OPで使われているのはいわゆる最後の大サビの部分のようだ。これまでのパターンであれば、途中で再びOPが変わるのだろうが、個人的には全部蓮花さんでいいよという思いである。それ以外の曲も悪くはなかったが、一番しっくりくるのはやはり蓮花さんの曲だと思う。

 

ルパン三世PART5

lupin-pt5.com

 こちらはお馴染みのシリーズ。あのルパン三世である。今回は仮想通貨を盗み出したり、ルパンゲーム=ネット(SNS)でルパンを見つけるという仕組まれたゲームが始まったり、いかにも現代的なルパンであり、ルパンの驚くような逆転の発想などストーリーも面白い。しかし、次元や五右衛門などいつものキャラクターたちは全然変わっていない。ただ、今回はかなりルパン一家が親密である。キザなセリフも、なぜかルパンが言うとクサいとは感じず、素直にかっこいいと思える。原作のキャラが出てきたり、OPや効果音が昔のアレンジだったり、シリーズファンには嬉しいだろう。どうしてあのテーマは何度聞いても飽きないのだろう。個人的には今期の作品の中で一番続きが気になっている。

 さて、この作品で水瀬いのりさんが演じているのはアミ・エナンという天才ハッカー少女。ルパンたちと行動を共にすることになる。先ほどの千鳥とは異なり、ややクールとでもいおうか、過去も含めて暗めの役。誤解を与える表現をしていけば、1話でパンツから銃を取り出し、2話で「ルパンは私とエッチがしたいの?」と言い、3話では「私、エッチってしたことないから」というセリフのあるキャラである。一部の水瀬いのりさんのオタクは、この情報だけで視聴を決定する人がいるに違いない。ルパンは「俺は大人しか抱かねえの」と応じていた。個人的にはアミはあまり好みの見た目をしていないので声以外ではそういった感情は起こらない。

 ED曲は、峰不二子役の沢城みゆきさんが歌う『セーヌの風に...(Adieu)』である。歌い方も映像もセクシー。余談だが、沢城さんと言えば、かなり昔のライブ映像で『carnival』という曲を歌っているのを以前見た。下手ではないが、あまりライブなどには向いていなさそうという印象を少し持った覚えがある。この曲は大人な雰囲気で、まったくそういった印象は受けないが。

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多田くんは恋をしない

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 さて最後だ。この作品は原作が存在せず、オリジナル作品である。ゆえに、どうなるのか全く想像がつかない。メインキャラクターを見ていこう。主人公は多田光良という写真部所属の高校二年生。祖父は多田珈琲店を経営しており、写真部とこの珈琲店の二つがストーリーに関わる主な場所となっている。「写真」が重要な要素であるため、カメラの作画には気合が入っている。光良の妹が、水瀬いのりさん演じる多田ゆい。見た目が本人に似ている。可愛い今どきの子といった印象。光良の友人に伊集院薫。ああ、こういうキャラよくいるよなという感じ。宮野真守さんがいい味を出している。そしてメインヒロインが、ラルセンブルクという国から来たという留学生のテレサワーグナー。最初に名乗る時、ワーグナーの部分は言い淀んでいたので、何かわけアリなのだろう。ワーグナーというと作曲家のあの人しか思い浮かばないのであるが。そして一緒に留学してきたお付きの女性的ポジションがアレクことアレクサンドラ・マグリットラブライブ!西木野真姫ちゃんにしか見えないのだが諸氏の意見を伺いたい。

 光良とテレサと写真部の他の部員たちとの様々な交流を描いていくようだが、現状ではどういった方向に物語を進めていくのかが予想できない。要所で笑える要素はいくつかある。喫茶店の常連客にゴルゴらしき人物がいたり、テレサが大好きな日本のテレビ番組が「れいん坊将軍」という時代劇であったり。この「れいん坊将軍」、言うまでもなく松平健のアレが元ネタ。殺陣のシーンで最後に「虹の色を一つ言ってみろ」と問い、やられる側の人が「赤」など何か一色答えると、「虹の色は虹色だ!成敗!」と応じて斬り伏せる。決め台詞が「いつも心は虹色に」。そりゃそうだけどなんという理不尽。これは色んな意味で面白い。

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 しかし、現状ではよくある日常ものである。3話でテレサが光良との間接キスに少し動揺するというのもありがちなものだ。1話で出会い、2話で写真部入部、3話で恋の萌芽やにゃんこビッグ(なんと声が大塚明夫さん)というキャラクターについて描写したので、一応必要なステップではあるのだろう。今後びっくりするような感動ものになる可能性を秘めているので、今は様子見といったところである。

 OPは大石昌良オーイシマサヨシ)さんの『オトモダチフィルム』。この人にあまり馴染みのないという諸氏でも、大ヒットした『けものフレンズ』の「ようこそジャパリパークへ」の作詞作曲編曲者、といえば伝わるだろう。歌詞はやはり作品に合わせて「写真」や「フィルム」といったワードが使われている。個人的にはテンポも好きである。EDはテレサ役の石見舞菜香さんが歌う『ラブソング』。サンボマスターのカバー。原曲と比較して、とても眠くなる声とアレンジである。石見さんは以前私が記事にした『さよ朝』で主人公のマキア役を熱演したことが記憶に新しい。まだ19歳(もうすぐ20歳)だというが、この子は大器であると確信している。今後どういう売り方をしていくのか分からないが、この女性声優戦国時代の中でも頭角を現している。きっと人気女性声優になるだろう。

 

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 以上、色々と好き放題書いていたらまた長くなってしまった。これはつまらない、思う作品はなく、今のところ全て視聴を継続するつもりである。皆さんも、面白そうな作品を見つけてみてほしい。また次回も不定期更新になりそうだ。

 

余談

 今度アニメ化されるらしい(時期不明)『寄宿学校のジュリエット』、原作を既刊全て読んだがこれは面白い。メインヒロインのジュリエット・ペルシアの声が茅野愛衣さんだというしこれは期待せざるを得ない。

 ところで、最近の深夜アニメはやはりOPやEDに歌詞字幕がないものがほとんどである。以前、歌詞字幕があると「いかにも子供向けっぽい雰囲気が出て台無しになるから」「格好悪い」といった意見を見かけたことがある。お前らは『北斗の拳』や『シティーハンター』を見たことがないのか?と言いたい。私としては、あった方がよいと思う。わざわざ歌詞の聞き取りをする必要もなくなる(だいたい耳コピは間違える)。昨年の今頃放送されていた『終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?』のED『フロム』は歌詞が表示されていた。作品内容とリンクしているから、あえて出しているのだ。OP曲及びED曲は、作品内容とリンクしていた方がいいと思う。回を重ねるごとに、同じ楽曲でもその深みが増してくるというものだ。